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仕事・所得と資産選択(’08) 第5回

第5回は「ライフサイクルと貯蓄,負債」です.

大正時代の平均的ライフサイクルは,女性21.2歳,男性25歳で結婚する.女性は23.6歳に長子を出産し,36歳時に第5子まで出産し,出産期間は14.7歳,子どもの扶養期間は27.3年に及ぶ.一方,平成3年のライフサイクルは,女性25.9歳,男性28.4歳と晩婚化が進んでいる.女性は27.4歳で第1子を出産し,子どもは2人だけなので30歳の時には出産を終了している.子どもの扶養期間は23年と短い.さらに,平成17年では,平均初婚年齢は男性29.4歳,女性27.6歳とより晩婚化が進んでいる.

ライフステージの分類には様々な方法があるが,一般に幼児期,学校教育期間,勤労期,結婚,出産,熟年期,引退期,老後,死亡等などがあると考えられる.生まれるまでに,検診,出産,新生児準備費用とおよそ50万円が必要である場合がある.私立幼稚園に3年間通園する費用は150万円と言われる.義務教育として小中学校に通学するが,教科書代と授業料は必要ない.しかし,学校外活動として,塾や稽古事で,小学校6年間で200万円,中学校3年間で140万円程度が必要と言われている.

障害にどれほど手取り収入があるかを「生涯可処分所得」で計算し,次に生涯支出を引くことで,生涯収支を求めている.試算によれば,生涯可処分所得は約3億3300万円である.これには,妻のパート収入分,約6900万円が含まれている.生涯支出は3億900万円といわれており,生涯収支は2400万円の黒字となる.

貯蓄率が高いということは,慎重な国民性ということもできるが,国家の社会保障システムに不安があるため,自助努力をせざるを得ないという理由も考えられる.国際社会の中での貯蓄率を比較すると,日本の貯蓄率は徐々に減少しており,最近ではフランスやドイツの方が高い.勤労世帯の貯蓄額の分布をみると,平均値が1292万円,中位数が807万円である.平均値は4000万円以上の貯蓄を持つ一部の富裕層に引っ張られて高めになる,一方で200万円未満が最頻層であり,貯蓄は低い方に偏っている.

貯蓄の基本が「まさかのため」の備えである点は,年齢が違っても同じである.その運用に関しては,定期制預貯金が最も多く,次に生命保険等が続き,この2つで全体の70%を占めている.有価証券は実のところ多くはなく,「元本が保証されていること」「少額でも預け入れや引出しが自由」「取扱金融機関が信用できて安心」という,金融商品の選択における重視項目と合致する.貯蓄に際しては安全性,流動性,収益性に分けて考えられるが,安全性を重視する人が50%,流動性が30%,収益性が20%である.

負債のない世帯は50.2%と全体の半数を占めている.しかしその一方で,2400万円以上の世帯が8.1%である,平均負債額は1238万円にものぼる.中位数は965万円である.

通信指導はこうやってまとめて送る

時期的に放送大学生は第2学期の通信指導に追われている頃かと思います.追い込みが終わったくらいかもしれませんが.

放送大学は文部科学省認可通信教育に該当しますので,第四種郵便として1科目15円で通信指導答案を送ることができます.しかしながら,15円で送れるのは100gまでであり,1科目100gってわけではないので,もっと節約できそうです.一見すると,第四種郵便は特殊なので,指定の封筒じゃないと送れないような気がしますが,実際はそうでもなく,通信指導答案をまとめて送ることが可能です.

字が汚いのは気にしないとして,このような感じにすれば送れます.表書きは付属の封筒と同じことを書いています.注意すべき点は以下の3点です.

  • 「第四種郵便」と明記すること
  • 「文部科学省認可通信教育」の「通信指導答案」が入っていると明記すること
  • 封筒の右肩を切り取り,中身を確認できるようにしておくこと

後は,郵便局の窓口に赴き,「四種で」といえばオッケーです.今回は3教科分をまとめて送りましたが,15円でした.30円の節約ですね.

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仕事・所得と資産選択(’08) 第4回

第4回は「家計収支と家計簿の活用」です.

収入は実収入,実収入以外の収入,繰入金の3つからなっており,収入総額と呼ばれる.実収入はさらに経常収入と特別収入に分かれている.実収入以外の収入には貯蓄引出しと借入金がある.支出も実支出,実支出以外の支出,繰越金の3つからなっている.この3つを合わせた金額を支出総額と呼んでおり,収入総額と支出総額はイコールの関係になる.実支出は消費支出と非消費支出からなる.消費支出には5大費目分類と10大費目分類があるが,一般的に10大費目分類が用いられている.非消費支出は税金や社会保険料等である.実支出以外の支出は,預貯金や借金の返済などである.

黒字とは,実収入から税金や社会保険料である非消費支出を引いた可処分所得と実支出との差額である.この金額がマイナスになると赤字である.

家計分析では弾力性という概念を用いて,必需品と贅沢品を決めている.収入あるいは消費の増え方に対して,それぞれの費目の増え方がどの程度であるか,その支出弾力性を測るもので,弾力性係数ηで示す.弾力性係数が1以下の費目を必需品,1以上の費目を贅沢品,マイナスの費目を下級品という.表4-2によれば,男子用下着類が必需品である一方,婦人用下着類は贅沢品である.また,たばこは下級品である反面,酒類は必需品止まりである.なにかしっくりこないですね.

昔と今とどれほど生活水準が変化したのかを分析する方法として,消費者物価指数を用いた消費水準の測定がある.消費者物価指数で消費支出金額を割ることによって,消費支出金額は比較可能となるので,このような数値を消費水準指数と呼んでいる.物価指数は毎月26日を含む週の金曜日の午前8時に公表されている.まさに今週ですね.

仕事・所得と資産選択(’08) 第3回

第3回は「わが国の家計調査の歴史」です.誤植があったので,質問票から誤植報告出しておきました.p.38 l.2の「1971年」は「1981年」の誤りです.

日本では大正5(1916)年から家計調査が始まった.この調査結果から,典型的とされる20世帯の労働者の家計ですら「大多数は少許の剰余かあるいは不足を生じたる有様」であり,総支出の1/3強は米代と家賃で占められており,これに光熱,被服,保健などの生活必需費を算入すると,総支出の80.8%に及ぶとし,まさに「エンゲル法則」が生きていることを証明した.その後,大正末期までの間に家計調査狂時代」といわれるほど多くの家計調査が実施されたが,家計分析の結果やその手法,政策にはあまりみるべきものはなく,調査によって時間を稼ぐ「鎮静剤的役割」を持っていた.

戦後になると消費者価格調査がGHQの指令に基づき,昭和21(1946)年に実施された.昭和23(1948)年7月には勤労者世帯収入調査が行われ,昭和25年にはこれら2つの調査を1つにまとめた消費実態調査が行われた.昭和28(1953)年からは品目分類から用途分類に変え,家計調査と呼ばれるようになった.

エンゲル法則が当てはまるのは,一定の収入範囲であることが紹介され,エンゲル法則が適用されない,低所得者層をエンゲル前型,高所得者層をエンゲル後型と呼んだ.戦後すぐはエンゲル前型に45~50%の世帯が属していたといわれる.昭和36(1961)年に生活保護基準額の算定にエンゲル関数が用いられた.

昭和56(1981)年,これまで用いられていた「5大費目分類」(食料費,住居費,光熱費,被服費,その他の諸費)から,「10大費目分類」(食料費,住居費,光熱・水道費,家具・家事用品費,被服及び履物費,保健医療費,交通・通信費,教育費,教養娯楽費,その他の消費支出)へと変更された.

仕事・所得と資産選択(’08) 第2回

第2回は「外国の家計研究の歴史」です.要するにエンゲルですね.てか,歴史はエンゲル以前,エンゲル,エンゲル以後に分類されるらしい.どんだけ,エンゲルなんだよwww.

18世紀前後のイギリスでは,家計は国家の問題として取り上げられていた.ペティは「国富」を計算して,アイルランドの通商力やイングランドの担税力を測定した.彼は国民の中位の人々の消費内容を金額に見積もり,これに人口を掛けて「国富」を算出した.このような方法を「政治算術」と呼ぶ.

「エンゲル法則」はデュクペチオーの研究がなければ生まれなかったかもしれない.各国で起こっている革命の原因を明らかにするために,労働者の生活を知る必要性が説かれ,そのために労働者の家計を国際的に収集することが第1回国際統計専門会議で決定された.デュクペチオーの助力を得て,1853年,ベルギー国内から約1000もの労働者の家計を収集し,その中から153の労働者家計の家計簿が収支項目別,収支階級別に分類され,まとめられた.彼の先駆的な試みは,近代家計調査の出発点であり,エンゲル自身は家計調査を行わず,デュクペチオーの報告書を元に分析を行ったことを考えると,デュクペチオーなくしてエンゲルの家計研究はなかったかもしれない.

エンゲルは生活費を中心とした研究を「個人福祉の測定」「家族福祉の測定」「国民福祉の測定」の3側面から行い,これらを合わせて「デモス(Demos)」と呼ぼうとしていた.分析の結果,「国民の福祉は「消費の中数」によって規定される.飲食物のための,そしてまた一般に肉体を維持するための支出が,総支出の中のより少ない百分率を要求しているならば,国民は,それだけ豊かであり,反対の場合には,その逆である.支出のなかで飲食物や肉体維持に回される割合が減少してゆく方向に「消費の中数」が上昇してゆくならば,それは福祉増大の証拠であり,下降すれば福祉現象の証拠である」.これを「エンゲルの法則」と呼ぶが,エンゲル自身が命名したものではない.

エンゲルが明らかにした法則を「エンゲル法則」として世に広めたのは,マサチューセッツ州の労働局長であったライトである.同様に,シュワーベは「貧乏になればなるほど,所得のうち家賃に支出しなければならない割合は大きくなる」と結論づけており,これは「シュワーベの法則」として知られている.

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