ホーム > タグ > 病気

病気

大病を患って思うところ

ちょうど寛解期を1年維持することができ,UCとしてももうすぐ3年目を迎えるので,ちょっと過去を振り返ってみようかと思います.

1年目はまさに闘病の1年で,よくわからないことだらけでした.下血してもリカバリーできるという意味では,比較的早い段階からコントローラブルでした.しかしそれは,下血したらペン注という対処療法的で,何故そうなったかという原因を切り分けることができずに,苦労しました.何度も調子を崩しているうちに,食べ物の影響はほとんどないこと,寝不足・ストレスの影響は大きいことなどがわかってきて,段々とコントロールが容易になってきました.要は,難病を盾にサボるだけの簡単な療養です.

2年目になると,薬がペンタサからアサコールに変わり,それを機に体調が大幅な改善を遂げました.アサコールのおかげで,UCは寛解期と呼んで差し支えない状態に固定することができました.一方で,UCが改善したにもかかわらず,なかなか調子が上がってこず(単なる甘え,怠け),昨年全く研究していなかったために業績を出せない焦燥感と,次年度は就職活動をしなければならない不安感で,精神面はどんどん不調になっていきました.この頃は,精神的に不安定すぎて,心療内科に通うことも検討しましたが,精神的に荒廃状態であったため,心療内科に行くという決断ができませんでした.ここで,誰かが無理にでも連れて行ってくれれば行ったのでしょうが,自らでは決断するに至りませんでした.ましてや「病院に行くべきはおまえらだ」と考えに至るくらいには,精神的荒廃は進んでいました.しかしながら,どんなきっかけがあったのか,なにがあったのか思い出せませんが,いつの間にかその不調からも脱し,なんとか平々凡々と3年目に向かう日々を過ごしました.

そんな経験から,大病を患って思うところがあったので,書いておこうと思います.

病気で怖いことは,長期化することだと思います.大病だとしても,短期で快復する類は先が見えるので何とかなりそうな気がします.しかしながら,大病ではないとしても長期化する病気は,先の見え無さから精神的に滅入ってしまいます.この辺の感覚は実際に病気を患った人じゃないとわからないと思います.

UCに限りませんが,見た目には病人に見えない病気というのは,かなり多くあります.実際,私の場合,発症してから2ヶ月間は診断がつかなかったため,上司に報告しなかったのですが,報告して初めて体調不良だと気づかれるくらいには,内臓疾患は気づかれません.ですので,電車やバスなどで,妊婦や杖をついている人に優しくするのは当然のことと思いますが,見た目ではわからない愛護すべき人がいるということは認識しておくべきと思います.私にいわせれば,見た目でわかる人にだけ優しくするのは差別的で偽善的でしょう.もし,本当に善意があるのであれば,全ての人に優しく振る舞うと良いでしょう.それが本当の善意だと思います.

「自分の目で見て,耳で聞いたことしか信じない」という人は少なからずいると思います.私もそこまでではないですが,実体験こそ最優先しています.そのため「やってみた」とか「作ってみた」とか「行ってみた」とか,そういう類が大好きです.世の中には体験しないと分からないことはたくさんあります.だから,神は私に試練として,経験として,大病を与えたのでしょう.「自らの身を以て,その苦しみを理解しなさい」と.

私は大病を患うことで,その辛さを身に染みて理解しています.1日1日が非常に大事であること.明日も今日と同じように動けるわけではないこと.そのために,中長期的な計画をよく理解し,よく準備し,膨大なマージンを準備しておくこと.そのためには,動ける最大限の範囲で,コツコツと積み上げておかなければならないこと.そして,動けないときには,潔く積み上げたマージンを切り崩し,快復に努めること.なんといっても,多くを求めることなく,諦めること.

それらを私は身を以て理解しているので,自らの実体験として,言葉に重みを持たせて,多くの人に伝える使命があると思います.実体験からの言葉は,深く心に届くのではないかと思います.私は学もないし,齢も重ねていないし,含蓄あることも大して言えないので,嘘偽り無い体験談くらいは伝えないといけないかなって思ってます.

それから,時間の捉え方も違うと思います.発症前から「タイミング」というものの重要性は理解していましたが,発症後はことさらに思います.寛解期を長期に維持している今はそうでもないですが,活動期や不安定な寛解期においては,「タイミング」の難しさを痛感しました.例えば,学会があったとしても,それは私の体調と関係なく開催されるので,学会参加の唯一の楽しみである二次会に参加できないという,何のために学会に来ているのかわからない状態になります.それ以外でも「調子が良いときに○○に行きましょう」などと言われると,それは基本的に日程調整不能を意味します.調子の良さは自分ではコントロールできないので,調子が良いところを見計らっていると,「今日調子が良い,誰かご飯行こう」といっても誰も捕まらず,「○日に食べに行こう」となると,その日が調子良いとは限らないわけです.

同じように,「今度行きましょう」と言われたとしても,その「今度」の感覚が一般人とは大きく変わります.難病患者や長期罹患者や持病持ちにとって,長期的に調子が良いとは限らないわけで,「今度」が数ヶ月後だとして,その時に調子が良い状態を保っていられるとは限りません.健常者は時間が無限にあるかのような前提で,難病患者は時間を有限かつ短く考えるのではないかなと思います.死にはしませんが,余命と同じような感覚かと・・・.

などと言うことから,学んだことは以下の通りです.

人生を生き抜いていく上で,最も大事なものは,金でも学でも人脈でもなく,健康です.

はじめてのマウスピース

表題の通りなんですが,はじめてマウスピースなるものを入手しました.別に,格闘技を始める予定はないんですが・・・.

なんで?

平たくいうと,歯が折れそうだから.もうちょっと説明すると,歯ぎしりが酷すぎるらしいから.さらに詳細に説明すると,ストレスマジヤバイ.

真面目に説明すると,私の右上1-4の神経は死んでいて,失活歯になっています.特に,1-2についてはすでに20年近く経過しています.3-4についても2年が経過しています.ご存じのように,失活歯は枯れた木と同じなので,朽ち行く運命にあります.20年も現状を維持しているのは,奇跡といえるレベルです.なぜそんな状態になっているのかについては,過去のエントリを見ると良いと思います.

ということで,これらの失活歯は差し歯にすることが,すでに決定されているのですが,差し歯を差すべき土台となる骨がないので,液状化減少しているところに杭を打ち込んでも意味がないように,今は施術できないのです.ということで,骨ができるまで,歯を養生しながら待っているのですが,どうもダメそうです.しかも,ダメなのが,1-2じゃなくて,3だというから困りものです.

で,どうダメなのかというと,どうも歯ぎしりが酷いようです.前歯に限らず,全体の歯がすり減っているようで,犬歯など尖っているべき歯が丸くなっているそうです.この歯ぎしりの件は手術したときの病院でも指摘され,「そんなことないと思うんですけど・・・」と答えたところ「寝てるうちに無意識にやってるんだよ」と言われました.寝ているときは寝ているので,自分が何をしているかなんてわかりません・・・.歯ぎしりをしていようが,論文書いていようが,徘徊していようが,知ったこっちゃありません.しかし,その歯ぎしりが原因で,失活歯である右上3にヒビが入ってしまったようです.

一般的に,歯が割れるときは縦方向に割れます.縦方向に割れると,差し歯を入れられませんので,入れ歯にするかインプラントにする必要性が出てきます.個人的には,3-4は抜髄してから間もないので,まさかと思っていましたが,どうもことは深刻のようで,このままだと差し歯を入れるまで持たないかもしれないとのこと・・・.えー.

じゃぁどうするの?

ということで,マウスピースです.専門用語ではナイトガードと呼んだりするそうです.ナイトガード,多い日でも安心☆・・・閑話休題.読んで字の如く,寝ている間に歯を守るために装着します.マウスピースは自分の歯形と噛み合わせに合わせて作られます.皆さんご存じの,あの気持ち悪いピンクのやつで型を取られます.何年経っても美味しくないな,あれは(食べ物ではありませんw).

で.できてきたのがこれ.

オレの歯形にピッタリになってます.思ったよりも薄くて,違和感は少ないです.実際に装着するとこんな感じ.

よかったね!

そもそも論でいけば,歯ぎしりが原因であるのに,ナイトガードを使うということは,根本的な解決になっていません.対処療法的に過ぎません.ですので,本来であれば歯ぎしりを解消することを目指すべきですが,どうなんでしょうか?原因は諸説あるようで,噛み合わせの問題もあるようです.事実,噛み合わせはずれていて,顎関節症気味でもあるので,それを治して解決するなら,万々歳です.で,そう尋ねたら,実は顎関節症も治せないらしいです.緩和することはできるけど,治せないらしいです.

顎関節症の原因は,たぶん私の場合,うつ伏せ寝が原因だと思います.うつ伏せ寝の上に,左を下にして寝ることが多いんですが,下顎は右にずれているので,合致します.うつ伏せ寝は百害あって一利なしです.ちなみに,内臓疾患を持っている人はうつ伏せ寝の傾向が強いそうです.これも合致しますね.ダメ人間ですね.

それから,最新の科学によりますと,歯ぎしりの主因は噛み合わせではなく,ストレスだとのことです.ふむ.ストレス起因で発症する可能性がある病気で,私の持病は,UC,突発性難聴,慢性首こり,歯ぎしり,ストレートネックなどなど,うーん.どう考えても,ほとんどの持病がストレス起因です,本当にありがとうございました.しかも,ほぼ全部が社会人になってから・・・困った困った.生きにくい社会です.

まとめ

とりま,マウスピース装備になりました.差し歯を入れるまで,頑張って養生する.でも,歯ぎしりが治らないんだから,差し歯を入れてもマウスピースは必要だろうなぁ・・・.セラミックの差し歯だと,すぐに割れちゃいそう.マウスピースも作り直しなんだろうなぁ・・・.

201205191035追記

1週間使ってみての感想です.とにかくヤバイ.起床時の口の中の雑菌超繁殖ネバネバ感がヤバイ.手術前に戻ったような感じです.実にヤバイ.それから,マウスピースを外した直後は噛み合わせの違和感があります.すぐになれるけど・・・.なんかあれです.あんまりいいものではないです・・・.

UC闘病記~アサコールによる寛解維持期7

アサコールによる寛解維持期も7に突入したときことは,2ヶ月毎の通院ですから,1年の寛解維持を達成したようです.これはかなり順調な部類と思われます.ということで,いつも通り寛解維持を継続するだけの,簡単な記録です.特記なき場合は,体温・体重・血圧・脈拍は朝の測定,アサコールを朝晩2回で 6錠(2400mg),便1回.

  • 4月25日 36.7度,67.0kg,血圧124/79,脈拍71.
  • 4月26日 36.6度,66.5kg,血圧122/82,脈拍69.
  • 4月27日 36.2度,67.2kg,血圧119/83,脈拍64.
  • 4月28日 36.6度,67.2kg,血圧118/78,脈拍72.
  • 4月29日 36.5度,66.7kg,血圧121/76,脈拍69.
  • 4月30日 36.4度,66.4kg,血圧126/77,脈拍67.
  • 5月1日 36.8度,66.9kg,血圧121/82,脈拍79.風邪っぽい諸症状.
  • 5月2日 36.6度,67.3kg,血圧125/85,脈拍72.風邪っぽい諸症状.
  • 5月3日 36.7度,67.2kg,血圧124/77,脈拍76.風邪っぽい諸症状.
  • 5月6日 36.1度,66.5kg,血圧117/84,脈拍68.
  • 5月7日 36.5度,67.3kg,血圧120/79,脈拍72.
  • 5月8日 36.3度,67.0kg,血圧119/78,脈拍78.
  • 5月9日 36.2度,66.6kg,血圧119/83,脈拍72.
  • 5月10日 36.5度,67.0kg,血圧119/80,脈拍73.
  • 5月11日 36.3度,67.7kg,血圧116/78,脈拍79.
  • 5月12日 36.5度,67.4kg,血圧121/76,脈拍69.
  • 5月13日 36.5度,67.2kg,血圧120/78,脈拍69.
  • 5月14日 36.6度,67.2kg,血圧116/78,脈拍75.
  • 5月15日 36.6度,67.2kg,血圧121/81,脈拍74.
  • 5月16日 36.5度,66.8kg,血圧111/80,脈拍68.
  • 5月17日 36.3度,66.7kg,血圧121/81,脈拍71.
  • 5月18日 36.4度,67.1kg,血圧126/78,脈拍77.
  • 5月19日 36.4度,67.0kg,血圧122/82,脈拍68.
  • 5月20日 36.5度,68.0kg,血圧125/79,脈拍72.食べ過ぎ.
  • 5月21日 36.6度,67.5kg,血圧122/80,脈拍76.
  • 5月22日 36.5度,66.7kg,血圧112/82,脈拍72.
  • 5月23日 36.5度,66.9kg,血圧113/77,脈拍66.
  • 5月24日 36.4度,67.4kg,血圧125/78,脈拍71.夜の薬を飲み忘れた疑惑.
  • 5月25日 36.4度,67.3kg,血圧121/77,脈拍66.
  • 5月26日 36.3度,66.7kg,血圧118/81,脈拍72.お腹痛くて下痢だった.
  • 5月27日 36.4度,66.8kg,血圧118/75,脈拍72.
  • 5月28日 36.3度,66.9kg,血圧111/81,脈拍74.
  • 5月29日 36.4度,67.2kg,血圧128/78,脈拍78.
  • 5月31日 36.6度,67.7kg,血圧123/77,脈拍69.
  • 6月1日 36.5度,67.8kg,血圧118/81,脈拍75.
  • 6月2日 36.5度,67.6kg,血圧115/79,脈拍75.
  • 6月3日 37.4度,67.6kg,血圧111/73,脈拍99.風邪で死にそう.
  • 6月4日 36.7度,67.5kg,血圧113/82,脈拍78.あと一息で治るかも?
  • 6月5日 36.7度,67.0kg,血圧121/71,脈拍73.喉と頭が痛い.
  • 6月6日 36.4度,66.8kg,血圧119/79,脈拍76.喉が痛くて咳が出る.
  • 6月7日 36.6度,67.1kg,血圧115/83,脈拍78.咳と痰.
  • 6月8日 36.6度,67.0kg,血圧121/81,脈拍78.咳と痰.
  • 6月9日 36.4度,67.1kg,血圧120/77,脈拍78.咳と痰.
  • 6月10日 36.3度,66.7kg,血圧122/77,脈拍77.咳と痰.
  • 6月11日 36.4度,67.0kg,血圧116/81,脈拍74.咳と痰.
  • 6月12日 36.5度,66.8kg,血圧118/80,脈拍76.咳と痰.
  • 6月13日 36.7度,66.8kg,血圧115/81,脈拍81.咳.
  • 6月14日 36.4度,67.1kg,血圧114/82,脈拍72.咳.
  • 6月15日 36.7度,67.8kg,血圧116/80,脈拍76.ゆるい咳.腰痛ヤバイ.
  • 6月16日 36.2度,67.3kg,血圧121/81,脈拍75.ゆるい咳.腰痛ヤバイ.
  • 6月17日 36.7度,67.4kg,血圧118/80,脈拍78.ゆるい咳.腰痛ヤバイ.
  • 6月18日 36.3度,67.1kg,血圧126/79,脈拍73.ゆるい咳.腰痛ヤバイ.赤かった.
  • 6月19日 36.3度,67.8kg,血圧115/81,脈拍74.ゆるい咳.腰痛ヤバイ.

UC闘病記~安定してます

最近はアサコール(とビオフェルミン)を飲むだけの簡単な生活を繰り返しており,特筆すべきことが何もありません.下血がなければ,下痢もなく,軟便も少ない.腹痛もないし,どの辺が難病患者なのかわからなくなりつつあります.ということで,今回の血液検査の結果です.

血液検査の結果も全く問題ありません.CRPが異常値ですが,相対値としてはいつもと同じで問題ありません.膵臓関連のリパーゼとアミラーゼも正常値で安定してます.前回の記録を見ると,リパーゼは乱高下しているみたいで・・・困った指標だ.最近注目の尿酸は7.6で前回7.5と変わりないです.変わりないとはいえ,相変わらず高止まりなので,がんばって下がって欲しいです.僕が,気兼ねなく酒を飲める日は戻ってくるのでしょうか・・・.

アサコール持論

アサコールを飲み始めて1年経ちました.アサコールになってからは,寛解期を順調に維持しており,私にとっては大変相性の良い薬です.しかし,このアサコールにも気になるところがあるので,素人目線で,根拠なく実感に基づいて述べます.

アサコールの薬剤放出制御機構

アサコールはpH依存型皮膜コーティングを採用しており,pH7以上(大腸内)で溶け始めます.ヒトの消化管内は胃,小腸上部でpH7未満であり,小腸下部,盲腸,右側大腸でpH7以上となります.そのため,小腸末端から薬剤放出されるため,UCの患部である大腸により多くの薬剤を届けることができるようになっています.そのため,ペンタサに比べ,下部大腸まで効果があるとなっています.個人的には,下部大腸での効果は限定的だと思っています.下はやっぱり下から打ち込むべきで,ペンタサ注腸が抜群だと思います.私個人にはペンタサよりも,より高い効果を発揮しているように思われます.何故なのかはわかりません.そもそも5ASAが効くというのも今ひとつ釈然としません.

ペンタサの薬剤放出制御機構

ペンタサでは腸溶性皮膜コーティングを採用しており,上部小腸から放出が始まります.放出率は大腸と小腸で同程度です.5ASAは塗り薬のようなものなので,患部に直接届いて効果を発揮します.そのため,UCの患部ではない小腸で薬剤放出されると無駄である上に,血液吸収され副作用を引き起こします.個人的には,ペンタサの血液吸収の影響を受けて,いくつかの副作用が起きていたと思います.反面,アサコールと違い上部大腸にも効果を発揮しやすいのではないかと思われます.そのため,ペンタサ注腸との併用では,最も5ASAの効果が得られると思います(というか信じています).

アサコールがそのままでてくることはあるか

排便中にアサコールを確認することはあります.しかし,そのことを医師や薬剤師などに報告すると「それは欠片で穴が空いていて中身は出てますから大丈夫です」と言われます.事実,割れているものも多く観測されますが,全く解けていないアサコールが観測されることもあります.これは偏にDDSの所為であると思います.

これは完全に持論で根拠はないですが,活動期や寛解期でも下痢症状がある場合,大腸通過時間が短いため,アサコールが融解しないのではないかと思います.または,なんらかの要因で腸内のphが7にならないために,融解しないということがありそうな気がします.私の場合,「調子が悪いなぁ」と感じる時ほど,アサコールがそのままでてきていたような気がします.昨今は,好調を維持していますので,欠片すら見当たらない状態になっています.

そのため,アサコールが全く効果を発揮しないという状況はあり得るのではないかと思います.その意味では,活動期においてはアサコールよりもペンタサの方が頼れる存在に感じています.真に頼れるのはペンタサではなく,ペンタサ注腸なんですけどね・・・.そもそも,活動期にアサコールでアンコントローラブルなら,5ASA単体ではなくステロイドを追加するべきだと思いますが,そこまで悪化したことないので.

ペンタサからアサコールに変えたばかりの頃は,本当にアサコールが全く解けずに排出されることが多かったです.服薬量が400mgを6粒で2400mgだったんですが,1日に2粒(要するに1食で飲む量全部)がそのまま出てきたこともありました.しかし,実に不思議なもので,そんな状態でも,ペンタサを飲んでいるときよりも遙かに調子が良かったです.これは,プラセボでしょうか.わかりません.

まとめ

よくわかんない.オレはアサコールの方が合っている.ペン注は最強.

201209131000追記

どうもテレビの所為か「アサコール」で検索してこられる方が急増しているのようなので,チャンスだと思って書きます.

安倍元首相がアサコールのことを「潰瘍性大腸炎の特効薬」だと言って回っているようですが,そんなわけはありません.アサコールは2009年に承認された新薬ではありますが,中身は5ASAというものが入っていて,これは5-アミノサリチル酸という消炎剤です.5ASAで一般的に使われているペンタサと同じです.アサコールとペンタサの比較はこちらをご覧下さい.

所詮は消炎剤ですから,対処療法的で根本的な治療にはなりません.よって,「完治」には至りません.これを慢性疾患では「寛解」と呼びます.寛解の状態は特異的な症状を示さず,確かに「完治」したと思われる状態になりますが,根本的に治っていないので,いつ再燃するかわかりません.そのために,5ASAを寛解維持目的で飲み続けることになります.この服薬コンプライアンスを守るかどうかで再燃率が大きく違うという報告があります.

ですので,アサコールは安倍元首相がいうような「特効薬」ではありません.アサコールを飲めば潰瘍性大腸炎が治るわけではありません.もちろん,アサコールでコントロールできている患者も多くいます.私もそうです.しかし,アサコールが使えない(5ASAの副作用が強く出る)人やそもそも5ASAの効果が薄い人,慢性持続型で常に再燃状態の人など様々です.決して,安倍元首相がアサコールで調子よくなったから,潰瘍性大腸炎が治るなどと思わないで下さい.潰瘍性大腸炎は,未だに難病かつ特定疾患に指定されています.アサコールが真に「特効薬」であるならば,特定疾患から外されているはずです.

潰瘍性大腸炎は特定疾患の中では特に患者数が多い難病です.もしかすると,あなたの周辺にも患者がいるかもしれません.そして,その可能性は決して低くありません.そんなときに,無理解で「治る薬があるらしいよ~」とか「安倍元首相が特効薬があるといっていたのに,何故治らない!」などと言わないでください.自分の病気のことは自分で良く知っています.慢性疾患は無知では付き合っていけません.どうか,思い込みで決めつけずに,患者の声に耳を傾けてあげて下さい.

201209262205追記

またアクセス数が増えそうなので,資料を追加します.

Home > タグ > 病気

アフィリエイト

Return to page top