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バイオサイエンスで豊かな暮らし(’08) 第14回

  • 投稿: 2011年01月23日 02:11
  • 更新: 2011年01月23日 02:11
  • 教育

第14回は「バイオサイエンスVI エコシステムの保全と環境浄化」です.なんとかあと1回まで漕ぎ着けました.

下水や排水の処理は古くから行われている技術である.それらは,好気処理及び嫌気処理として,既にある程度完成した技術である.しかし脱窒および脱リン技術に関してはまだまだ改良の余地がある.

発酵工場や食品工場のように資源か可能な有機物の多い汚水は,CODの濃度によって分別処理することの方が,資源リサイクルの考えからも得策である.排水処理の際に指標となる項目は上図の通りである.これらの意義は以下の通りである.

  • BOD: 汚水中の還元物質が微生物の呼吸作用により酸化される際に消費する酸素量.
  • COD: 有機物質を化学的に酸化するとき消費した酸化剤の量に相当する素量.
  • TOC: 炭素を急速に燃焼させ,発生する二酸化炭素を赤外分光法で測定する.
  • SS: 水中に浮遊する物質又は懸濁物質.

廃水処理に関与する微生物としては,上図のようなものがあげられる.バシルス!

バイオレメディエーションは生物,特に微生物のもつ化学物質の分解能力を利用して,環境中に放出された有害物質を分解,無害化する技術である.この技術には,汚染を修復するために適切な微生物を添加して行うバイオオーグメンテーションと汚染域に既に存在している微生物を適切な栄養源を与えることで増殖を促進し,その結果として修復を速やかに進めるバイオスティムレーションがある.

代表的な分解に関与するプラスミドは,上図の通りである.プラスミドという言葉はよく出てくるが,実は意味をしならない.ペプチドもしらない.

重金属は微生物を用いて回収することができる.ただし,上図は間違っている.教科書には正誤表が付くが,放送教材には正誤表が付かないので困る.というか,上図の場合はどこが間違っているかなんて明らかなので,別に構わないが,間違ってるなら間違ってるで,訂正くらい打って欲しい.

一般に微生物は,ばい菌と呼ばれ,常に病気と関連付けて考えられている.微生物のほとんどが無害か有用であることは理解されていない.今日は,抗菌グッズが流行して,あたかも無菌であることが非常によいことのように言われているが,これは自然な生物間平衡を考えるとひどく間違ったものと言えよう.このようなことによって,ヒトに本来あるべき免疫力の確保や自然生体防御系を見だしていると言えるかも知れない.ヒトの腸管には100種以上の菌が存在していると言われている.これらは有用なものも有害なものもある.例えば,有用な菌である乳酸菌群についても,年齢,食習慣などで大きく変化することが知られている.私の腸内も乱れているのであろう.

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