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仕事・所得と資産選択(’08) 第14回

  • 投稿: 2010年12月30日 14:07
  • 更新: 2010年12月30日 14:07
  • 教育

第14回は「情報化社会の生活」です.今回から最終回まで,講師が交代です.大藪先生の講義面白かったのに・・・.

新聞,テレビやインターネットで得られるものだけが情報ではない.風の音,鳥のさえずり,山や川の風景,友達とのおしゃべりなど,五感を通じて受け取るもの全てが情報である.情報は人間にとって2つの大きな意味を持っている.

  1. 情報による意志決定
  2. 情報による人間の発達

情報による意志決定とは,次のようなものである.「ある朝,鳥のさえずりで目が覚め,眠い目をこすりながら起き上がった」.これは,1.鳥の鳴き声を情報として摂取,2.朝だと判断,3.起きようと決定,4.起床,という一連の流れを示している.つまり,私たちは,まず情報を摂取して,それをもとに判断し,決定し,行動している.これは理性ともいえるだろう.情報に基づいた理性的な行動は,人間によい結果をもたらす.対して,突発的な行動は,不利な結果を招く.そのため,人間にとって情報は大切であり,多ければ多いほど威力を発揮する.

インターネットの普及は,個人,家庭,そして社会に対して大きな影響を及ぼしている.家族や友達との連絡回数が増える一方で,面と向き合って話す時間は減少している.外出回数や睡眠時間も減っている.知識が増えて個人の能力が向上する一方で,人間同士の直接的な交流は減っている.したがって,人と人とのコミュニケーションが広いけれども薄く浅いものになって,人間関係が稀薄化したり,物事を深く考える能力が低下するなどのマイナス面が懸念されている.

インターネットに固有のリテラシーはほとんどない.情報をめぐる問題は,いずれの情報手段においても基本的には共通であり,そのために備えるべき能力も同じである.インターネットには,無限に近いほど多種多様な情報が存在する.しかも,それらの多くは,混沌とした生の情報である.そのため,インターネットのみならず,あらゆるメディアからの情報を批判的に検討し,本物を見極める能力が必要である.

情報化が進むにつれ,情報格差が顕著となり,その解消が大きな課題となってきた.年齢格差,収入格差,地域格差である.情報化社会における格差の特徴は,格差が格差を加速度的に増大させることである.例えば,若者は最新の便利な機器を活用して多くの有用な情報を獲得できるが,真にそれらの情報を必要としている社会的弱者との格差はさらに大きくなる.また,教育終了後に世に出た技術は,習得されないため,利用するための障壁が高くなっている.また,便利すぎる情報環境が人間の発達を損なわないかという懸念がある.

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