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バイオサイエンスで豊かな暮らし(’08) 第13回

  • 投稿: 2011年01月21日 01:27
  • 更新: 2011年01月21日 01:27
  • 教育

第13回は「バイオサイエンスV 医薬品生産への応用」です.

これまでの抗生物質をはじめとする医薬品は,ほとんどが低分子化合物であり,それらの発見は偶然の所産であることも多かった.バイオテクノロジーの発展で,ヒトタンパク質を直接生産することを可能にした.バイオ医薬品を定義すると,本来ヒトにはわずかしかない薬理作用を持ったペプチド又はタンパク質を組換えDNA手法を用いて大量生産を図り,治療に供しようとするものである.

わが国で最初に市場に出たバイオ医薬品は1986年のヒト成長ホルモンである.ソマトスタチンは成長ホルモンの分泌を調節するホルモンである.これが初めて遺伝子操作によって大腸菌で作られたヒトポリペプチドである.

ソマトスタチンDNAの合成に際しての工夫が上図である.

インシュリンは膵臓のベータ細胞のつくるペプチドホルモンで,血糖降下作用があり,糖尿病の治療には必須の医薬品である.従来,インシュリン製剤は牛や豚の膵臓を原料としていたが,供給が不安定で,年々増加する糖尿病患者への供給が不足してきていた.また,ブタインシュリンはB鎖の30番目のアミノ酸がアラニンとなっているが,ヒトインシュリンはトレオニンである.この違いがアレルギーなどの強い副作用を起こしていた.ヒト型インシュリンは遺伝子組換え技術によって商品化されたバイオ医薬品の第1合であり,副作用の問題を完全に解決した.また,近年では飽和脂肪酸(ミリスチン酸)を付加して,体内での効果の持続性を高める改良もなされている.

ヒト成長ホルモン(HGH)は,わが国で最初に上市されたバイオ医薬品である.従来HGHは死体の脳下垂体から抽出する以外に製品化する方法がなかった.HGHの遺伝子の取得は,下垂体からのmRNAを介したcDNAと化学合成による遺伝子の組み合わせで行われた.

あとはよく分からないので図だけ.

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