- 投稿: 2010年12月05日 17:37
- 更新: 2010年12月05日 17:37
- 教育
第9回は「共働き世帯と方働き世帯の経済」です.
サラリーマン家庭が増えるまでは,農家や自営業の家庭では,共働きが当たり前であったが,サラリーマン家庭が一般的になってくると,専業主婦世帯の割合の方が多くなった.近年は,女性の社会進出や子育て終了後の女性の社会復帰などで,共働き世帯の方が若干であるが多く推移している.勤労者世帯のうち,核家族で夫婦が共に働いている世帯の割合は約30%である.世帯主が男性の場合,世帯主の収入は専業主婦世帯の方が高いが,共働き世帯では妻の収入を加えると共働き世帯の方が高くなるため,妻の収入で世帯主の収入の不足分を補っているといえる.
共働き世帯の場合,夫は1次活動(睡眠,食事,身の回りの用事)と3次活動(休養,自由時間,交際・付き合い)の時間が妻よりも長い.とくに睡眠時間は,妻は夫よりも約30分短い.専業主婦世帯の場合,この傾向は逆転し,夫の方が1次活動と3次活動の時間が妻よりも短くなる.しかし,夫の生活時間そのものは,共働き世帯と専業主婦世帯ではあまり違わないことから,妻の生活時間が違うことが影響しているといえる.家事関連の時間は,専業主婦世帯の妻の方が3時間ほど長くなるが,夫の家事関連時間を見た場合,専業主婦世帯の夫の方が,共働き世帯の夫よりも少しではあるが,長いのは何故であろうか.
離婚や死別によって満20歳未満の子どもで未婚の者と暮らす場合,片親世帯となる.母子世帯になる理由は,昭和27年は80%以上が死別であったが,平成15年には逆転して約90%が性別となっており,その80%が離婚である.母子世帯の平均収入が212万円であるのに対して,父子世帯は390万円である.就労収入では,母子世帯が平均162万円に対して,父子世帯は320万円である.分布を見ると,100万円未満に307%,100~200万円に38.1%と集中しており,低所得者が多いのが特徴である.
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