- 投稿: 2010年12月05日 15:55
- 更新: 2010年12月05日 15:55
- 教育
第8回は「結婚と離婚の経済」です.無縁です.
婚姻件数と婚姻率をみると,終戦直後の昭和22,23年には第1次婚姻ブームがあり,95万組であった.その後,昭和45年に第2次婚姻ブームがあり,その後は増加する時期もあるが,減少傾向にある.近年では再婚件数が徐々に増加しており,平成17年には全婚姻数の1/4を占めている.婚姻時の平均初婚年齢は上昇傾向にあり,昭和50年に男性が27歳,女性が27.4歳であったが,平成17年には男性が29.4歳,女性は27.6歳と少しずつ伸びている.戦後,結婚するきっかけは見合い結婚が60%以上を占めていたが,今や6.4%までに減少し,80%以上が恋愛結婚による結婚である.25~29歳の未婚率は男性が70%,女性が60%と上昇傾向にある.30~34歳の未婚率は男性が50%弱,女性が30%強,さらに35~39歳では男性が30%,女性が20%弱と高い.さらに,これらの数値は近年上昇傾向にあることから,晩婚化,未婚化の進展をうかがえる.
結婚して2人以上になると,生活費用が単身時の2倍かかるわけではない.単身世帯の生活費は約18万円/月である.2人以上世帯では30万円なので,1世帯当たりの生活費は2人以上世帯の約0.6倍である.って正誤表が挟まってるんだけど,文脈がおかしい.正しくは「2人以上世帯では30万円なので,1世帯当たりの生活費は単身世帯の約1.7倍である.」が正しいと思う.前文の受ける語が2人以上世帯になっているので,後文で再び2人以上世帯の~と出てくるのはしっくり来ない.
閑話休題.離婚率は2005年調査で2.08%である.若年層の離婚率が高いが,熟年離婚も増えている.離婚に至るまでの同居期間は,5年未満が35%と最も多く,次が5~10年の22%である.一方で,20年以上の同居期間を経て離婚した件数が15%もある.離婚の動機は,男性の場合「性格が合わない」「異性関係」「家族・親族と折り合いが悪い」「浪費」「異常性格」であり,女性の場合「性格が合わない」「暴力をふるう」「異性関係」「生活費を渡さない」「精神的虐待」となっており,女性の場合はドメスティック・バイオレンスの内容が多い.しかし,どちらの理由においても,第4位には経済的理由が入っているのは興味深い.
離婚の時に問題となる経済問題が,離婚の慰謝料,財産分与,養育費等である.慰謝料の平均は190万円と低いが,これは結婚年数,離婚に至った責任の重さ,支払い能力等が考慮される.婚姻期間が1年未満の場合,100~300万円,20年以上だと500~1000万円となる.財産分与は100万円以下が26%で最も多い.養育費の金額を決めるには,平成15年4月以降は簡易な算定票が一般的に用いられている.養育費は平均44660円/月である.
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