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仕事・所得と資産選択(’08) 第6回

  • 投稿: 2010年11月28日 19:13
  • 更新: 2010年11月28日 19:13
  • 教育

第6回は「社会保障と家計」です.

社会保障は狭義には公的扶助,社会福祉,社会保険,公衆衛生・医療,老人保健を指すが,これに恩給と戦争犠牲者支援を加えると広義の意味となる.保険の技術を用いて保険料を財源として給付を行う「社会保険」と,保険の技術を用いず租税を財源として給付を行う「社会扶助」との分類できる.

国民年金は20歳以上60歳未満までの40年間加入する制度である.加入者の属性によって,農業,自営業者や学生を第一号被保険者,サラリーマンやOLを第二号被保険者,第二号被保険者の被配偶者は第三号被保険者に分類される.第二号被保険者は国民年金に加えて厚生年金や共済年金にも加入している.保険料の免除制度として,若年者納付猶予制度と学生納付特例制度がある.若年者納付猶予制度は20歳代で本院や配偶者の所得が一定額以下の場合,申請すれば保険料納付が猶予される.猶予期間は受給要件に含まれるが,満額受給したい場合,その後10年間のうちに保険料を納付することができる.学生納付特例制度は,教育施設に在学する20歳以上の学生に対して,本人の所得が一定額以下であれば,国民年金の保険料納付を猶予する制度である.猶予期間は受給要件に含まれるが満額受給には追納が必要である.ただし,2年を過ぎたものについては加算額が必要となる

労働保険とは労働者災害補償保険と雇用保険とを総称したものである.労働者災害補償保険は労働者が業務上の業務の事由または通勤によって負傷したり,病気に見舞われたり,あるいは不幸にも死亡した場合に,被災労働者や遺族を保護するために必要な保険給付を行う強制加入の保険である.近年は,労働時間の延長などの環境を反映してか,過労死や業務上のストレスに関する傷病も労災として認定されている.心の病で労災認定された人は,平成18年度は過去最高の205人であり,そのうちの40%は30歳代であった.

雇用保険は失業などによって,収入が減った人の生活を安定させ,同時に失業そのものを予防するための制度をいう.雇用保険には,失業等給付と雇用保険3事業の2つがある.失業等給付とは,労働者が失業した場合及び労働者について雇用の継続が困難となる事由が生じた場合に,労働者の生活および雇用の安定を図るとともに,再就職を促進するために必要な給付を行うものである.雇用保険3事業とは,雇用安定事業,能力開発事業,雇用福祉事業が含まれる.求職者給付の基本手当(いわゆる失業手当)は賃金の80~50%に相当する額で,定年や自己都合による離職者への支給日数を圧縮して,倒産やリストラによる離職者や中高年齢者の一定の支給日数を確保している.再就職手当は離職の予想可能な定年・自己都合による離職と,離職の予測が不可能な倒産・解雇による離職に分類し,前者の所定給付日数を減らし,後者の45歳以上60歳未満の年齢層の所定給付日数を拡充している.

父母が婚姻を解消している場合や,父が死亡した児童などを監護し,養育している母または養育者に支給されるのが児童扶養手当である.児童とは,18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある者,または20歳未満で政令により定める程度の障害の状態にある者をいう.受給条件は,離婚が成立している,子どもが父から引き続き1年以上遺棄されているがあげられる.扶養義務者等の所得制限があるが,1人月額41720円,2人の場合は46720円である(2008年).

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