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仕事・所得と資産選択(’08) 第11回

  • 投稿: 2010年12月27日 14:13
  • 更新: 2010年12月27日 14:11
  • 教育

第11回は「団塊世代と資産運用」です.

団塊の世代とは,一般的に1947~1949年頃の3年間に生まれた人たちを指す.語源は堺屋太一の同名小説からである.人口からみると,団塊の世代は第1次ベビーブーム世代と呼ばれ,毎年260万人以上が生まれ,2007年には約680万人で,総人口に占める割合は約5.3%である.

2007年以降の数年間は,この世代が60歳以上に達して,毎年200万人以上が退職する.これを2007年問題という.2007年問題では,社会保障費の増加,労働力不足というマイナス要因のほか,退職金や年金を用いた消費力のアップ,再就職やボランティアなどの地域貢献による労働力や地域力のアップなど,プラスの面も多い.団塊の世代が65歳以上に到達する2012年には,65歳以上の高齢者が年に100万人ずつ増加すると予測されている.これを2012年問題という.

2006年の厚生労働省の調査によれば,団塊の世代は退職後の仕事に関して,60歳以降も仕事をしたい人が約70%,可能な限り仕事をしたいが約65%と答えている.2005年の野村総合研究所の調査においても,60歳以降も仕事を持ち続けたい人は80%,その目処が立っている人は22.8%にのぼっている.

60歳以上65歳未満の人が定年後も働き続けると,厚生年金に加入することになり,本来の年金ではなく,在職老齢年金を受け取ることがある.賃金と年金の月額の合計が28万円以下なら年金は全額支給,超えた場合は,超過分の半分が年金からカットされる.65歳以上であれば,48万円以下なら全額支給される.

2006年の厚生労働省の調査によれば,勤続年数が35年以上の場合,退職金は1300~2400万円が目安と考えられており,平均は2040万円となっている.退職金は課税対象であるが,税金面では優遇措置が設けられており,分離課税方式によって税金額が低く抑えられている.社会保険料は退職後も支払わなくてはならない.会社員だった人は健康保険と介護保険に加入し直さなければならない.この場合,健康保険の任意継続か,国民健康保険,家族の健康保険の被扶養者となることが多い.雑所得がどうのこうので,任意継続2年を経てから国民健康保険にした方が良いらしい.

2004年から改正高齢者雇用安定法が施行されている.これによって,年金の支給開始年齢の引き上げに合わせて,雇用確保を義務づける年齢が段階的に引き上げられている.事業主は,

  1. 定年の引き上げ
  2. 継続雇用制度の導入
  3. 定年の定めの廃止

のいずれかの措置を講じなければならない.さらに,50,60歳代における起業の割合が高まる傾向にある.しかし,20~40歳代が黒字基調であるのに対して,50歳代では赤字黒字が半分,60歳代では赤字が60%以上となっている.

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