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最近の若者がLaTeXで卒論/修論を書くべきたった1つの理由

完全に時機を逸していますが,最近の若者がLaTeXで卒論または修論を書くべきたった1つの理由を示したいと思います.博論が対象になってないのは,LaTeXで書くことが当然に期待されるからです.

最近の卒論/修論生はメール世代である

まず大前提の知識を合わせる必要があります.ご存じの方も多いと思いますが,最近の卒論/修論生はメール世代です.特に,携帯メール世代です.これをデジタルネイティブと呼ぶのかどうなのかはわかりませんが,少なくとも,我々の世代とはちょっと違います.これ自体が良いとか悪いとか,そういうことを論じたいわけではなく,そういう世代が卒論/修論を書くくらいまで成長してきましたという事実です.さて,そんな彼ら世代は携帯メールを主に書いて育ってきました.携帯メールに限りませんが,電子メールには以下の特徴があるのではないかと思います.

  1. 一切改行を行わない1つの文で構成される
  2. あるまとまり毎に改行はされる
  3. 適当な長さ(固定長または可変長)で改行する
  4. 話題が変わる場合は空行を(場合によっては複数行)入れる

私は特徴3および4を持った電子メールを書くことがほとんどです.電子メールの世界では,確かにこのような通例になっています.しかし,それをそのまま卒論/修論に持ち込むと,指導教員がぶち切れることでしょう

読者の理解を助ける例を示して

では,そのような文書の例を示しましょう.文章は青空文庫の青空のリスタートを拝借いたしました.

これはよく見かける典型例です.先に示した特徴2を持っています.「段落」は構成されていますが,段が落ちていません.段落頭は1文字下げるというのは,調べによると小学校2年生で指導されるべき内容のようである.つまり,習ったには習ったが,自分で文章を書く機会が少なく,書くとしても電子的なメールばかりで,基本的なルールを忘れてしまっているのでしょう.

次は電子メールのルールを極端に持ち込んだ例です.これはさすがに見たことないですが,若者視点で考えれば,このように文章を書きたくなるでしょう.

正しくはどうなるべきか

正しい文章技法で書かれた場合,改行や字下げは上図の通りになると思います.

若者がLaTeXで書くべきたった1つの理由

そろそろ本題に入りたいと思います.さも自然に入ったので,違和感がなかったと思いますが,今までに示した例は,全てMicrosoft Wordという文書閲覧(一応簡単な文書も書ける)ツールでの作例です.そのため,おかしな状態になっていました.そこで,論文を執筆するに最適なツールであるLaTeXの出番です.LaTeXを使えば,メール世代でも自然で美しい文書(見た目の話で,中身が良いかどうかは別問題です)を書くことができます.以下に具体例を示しましょう.

\documentclass[papersize,12pt,oneside,openany]{jsbook}
\begin{document}
\chapter{序論}
とまあ手書きに対するオレの期待も膨らむ一方で、
この本の後ろの方ではさらにその根拠らしきことも述べている。

昨今は可能性大と信ずるものに光があたってきたことを
素直に喜ぶと共に、
ソニーをはじめとする手書きへのチャレンジャーの先見性に
あらためて脱帽する日々である。

ただしここでも述べているとおり、
ビジネス手帳の電子版という商品設計には全く興味がない。
ここでは深入りを避けるが、
手書きを生かすならA4サイズ程度のクリップボード状の機械。

二十四時間型という意味でなら、携帯電話の変種だろう。
ところがそうは考えないというパームトップの援軍が、
鳴り物入りでドドーンと登場しそうな気配になってきた。

名乗りを上げるのは、
突然「家電をやるぞ」とわめきだしたアップルだ。

「アップルが家電って、例のリンゴ・マークのついた扇風機や冷蔵庫でも作るの」
という疑問には、
次項の言い訳で答える。

ともかくも家電への参入宣言があり、
この戦略に沿ってアップルはカラーの液晶ディスプレイに
高い技術を持つシャープとの提携に踏み切った。

一九九二年三月二十七日付けのシャープの発表によれば、
両社は「次世代のパーソナル情報機器の開発から生産および販売について、
長期的な事業提携を結ぶことに合意し、契約を締結」した。
このパートナーシップから生まれる最初の製品は、
発表によれば一九九三年の初めには市場にデビューするという。
\end{document}

これは先に示した2番目の例ですね.これをLaTeXでPDFにすると,こうなります.

素晴らしい.神は我々を見捨てなかった.

まとめ

卒論も修論もLaTeXで書けば良いと思うよ.Wordはそもそも卒論や修論を書くためのツールじゃないし,全くオススメできない.書式はきっちりしなさいとid:next49先生もおっしゃっていますし.これほど良いこと尽くめなのは,LaTeXだけ.Wordでは達成できかねる至福感です.

201202271356追記

ネタをネタだと理解できない人たちが多いようで,息苦しいので,コメントは全て削除します.他にもLaTeXを真剣に勧めていらっしゃる方々は多いですので,同じように指摘して回ると良いと思います.

Adobe Reader X対応のpdfopenとpdfclose

先日,Adobe Reader XとDDE通信できない旨のエントリを書きました.我々dvipdfmx使いとしては狂気の沙汰であり,論文を書く気力が5000分の1まで急落しました.渋々Adobe Reader 9に戻すことで対応していたのですが,この度,解決方法が判明したので,解決策を公開します.ぶっちゃけ,タイトルは半分合ってて半分釣りです.厳密にはAdobe Reader X専用のpdfopen/pdfcloseを作ったが正解です.

解決手段

Please change your application to use following servername for Acrobat/Reader instead of “acroview” try the following:

For Reader X Use DDE_SERVERNAME = acroviewR10

For Acrobat X Use DDE_SERVERNAME = acroviewA10

Adobe Forums: Reader X: DDE Open command can open…

というわけで,まさにこのまんまなのですが,DDE通信できなかったのは,DDEサーバ名が変更になったからです.単純な話です.ですので,DDEサーバ名を変更すればokです.

え?pdfopen/pdfcloseにそんな設定項目はないですよね?ということは・・・.ソースを弄るしかないです.ではソースはどこにあるのか?探しました.見つかりました.オリジナルソースは同梱されていますが,ウェブ上にソースを頼るなら,これでしょうか?どちらでも構いませんが.

対処方法

対処方法も何も明らかなので,サクッと説明します.36行目を以下のように書き換えます.

変更前:

#define ACROBAT	"acroview"

変更後:

#define ACROBAT	"acroviewR10"

簡単ね!あとは,同梱されているbuild.batを実行してpdfopen.exeとpdfclose.exeを作成して,既存のpdfopen/pdfcloseと置き換えればオッケー牧場.なお,build.batはclコマンドを使っていますので,Microsoft Cコンパイラ想定です.VC2010Express辺りを使ったらいいんじゃないでしょうか.わかる人は他のコンパイラでも良いと思います.

配布

ライセンスにはAcrobat (r) Plug-ins Software Development Kit License Agreementと書かれているのですが,同名のライセンスが見つかりません.Adobe Acrobat SDK License Agreementでいいですかね?わかりません.よく解ってませんが,元に倣って,ソースとバイナリを一式公開します.コンパイル環境はWindows 7 x64のVisual Studio 2008です.対象はAdobe Reader Xです.Adobe Reader 9以前では動きません.

Adobe Reader X対応pdfopen/pdfclose ソースファイルおよびバイナリ一式元ソース

201012151750追記
2010年12月7日付けの更新で,pdfopen/pdfcloseが更新され,Adobe Reader Xに対応しました.ソースはW32TeXのChangeLog.というわけで,私の活動は役割を終えました.

Adobe Reader XとDDE通信できない件

Adobe Reader Xが登場したわけですが,dvipdfmxを駆使しまくって論文を書く人はアップデートすると「むぎゃ!」ってなります.Adobe Reader 9を使い続けた方がいい気がします.

発生する問題

Adobe Readerは開いているpdfをロックするので,dvipdfmxで確認して,編集して,platexからdvipdfmxしようとすると失敗します.そのため,dvipdfmx前にpdfを閉じる必要があります.従来ではpdfopen/pdfcloseを利用して実現できていましたが,Reader XとDDE通信ができず,pdfファイルを開いたり閉じたりできなくなっていて,「むぎゃ!」ってなります.論文を書く気力が8割減です.

関係する情報

推奨される対策

Adobe Reader 9を使い続ける.

201011281415追記:

Please change your application to use following servername for Acrobat/Reader instead of “acroview” try the following:

For Reader X Use DDE_SERVERNAME = acroviewR10

For Acrobat X Use DDE_SERVERNAME = acroviewA10

Adobe Forums: Reader X: DDE Open command can open…

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